湘北 2
陵南 2
湘北・桜木、陵南・福田、
インサイドのゴールで互いに得点を記録し、迎えた湘北の攻撃。
ボールは、流川に渡った。
ザワ…
「来た!! 流川VS仙道!!!!」
中村 「来ましたよ!」
弥生 「ココね」
(湘北のエース・流川楓。この試合、彼が仙道彰に勝てるかどうか、
勝負を大きく左右するポイントよ)
ポジションは左45度、スリーポイントライン付近。
他のメンバーは右サイドに立っている。
田岡 「アイソレーションか」
彦一 「湘北は、流川君には1対1で思い切りやらせるつもりや」
安西の指示だった。
――流川が1ON1の体勢に入った際は、残り選手は逆サイドへ
桜木 (クソ、なんでこの天才がコイツのために…)
荒石 (エースのお手並み、一丁拝見させてもらうか)
天崎 (流川さんの1ON1、目に焼き付けてやる)
流川、ボールを頭上に持ち、ゴールを見る。
完全な1ON1の体勢。
仙道は腰を落とし、流川の目を見る。
キュ!! キュキュ!!!
シューズの音が会場に響き渡る。
ゴクリ…
会場が静まる。
キュキュ!!
ピボットで2、3ステップほど足を動かす流川。
(抜く!)
仙道、流川のステップには動じない。勝負のポイントを見切っている。
(抜かせねえ!)
ダム……
流川がボールをついた。
中村 「ドリブルを始めた…」
弥生 「仕掛ける気だわ」
コート上の選手も、一瞬注目してしまう。
宮城 (流川、行け。今のお前なら抜ける)
桜木 (フン、早く行けよ。カッコつけやがって)
ダム…
ダム…
仙道 (来い)
ダム!!!
流川、爆発的に一歩目を切る。
キュキュ!!!
仙道、すかさず動く。
「行った!!!!!!!!」
流川は右を抜きに行った。仙道から見て左。
ダム!!!
フリースローライン付近で、バックターンで反転。
桜木 「……!!!!」
荒石 (は、速え……!!!)
キュキュ!!!
仙道、この動きに喰らいつく。
抜け切れてはいない。
神 「抜けてないぞ」
清田 「どうする…!!?」
ダン!!!
流川が跳ぶ。左手でのレイアップ。
ダン!!
仙道もブロックに跳ぶ。右手を伸ばす。
田岡 「よし!」 (コースは塞いでいる!)
宮城 「……!!」 (タイミング、合わされた…!!)
次の瞬間、
クイ!
流川、左手のスナップでボールにアーチをかける。
仙道 (なに…!!!?)
放物線を描いたボールは、仙道の右腕を超えた。
彦一 「なんやて!!!?」
弥生 「ループシュート…!!!!!」
桜木 (ルカワ……!!!!)
天崎 「………!!!」 (ループ…!!)
静寂のコートに、
ネットの音が静かに響いた。
ザシュ!!!!!
湘北 4
陵南 2
直後に会場が爆発する。
「うわあああああーーーーーーーーーー!!!!!!!」
「決めたああああーーーーーーーーーーーー!!!!!」
「なんだあれはーーーーーー!!!!!!」
田岡、目を見開く。
「流川………」
安西、コブシを握る。
「それでこそエースだ」
ボールを拾う仙道。
「ふぅ…、また上手くなりやがったか…」
流川、一言残してディフェンスに戻る。
「テメーに勝つためだ」
湘北メンバーがディフェンスの体制を整える。
宮城 「よーーっし!! ナイス、流川!」
流川 「ウス」
桜木 「野郎……!!」
(なんだ今のシュートは…。ブロックのタイミングは完璧だったのに、
ボールがその上を飛びやがった…)
天崎 (なるほど…。ループシュートか)
荒石 (さすがだねえ、ウチのスーパーエース様は)
観客席の海南。
神 「またレベルアップしてるな、流川は」
清田 「チッ、あんくらい、どーってことねえっすよ」
高頭 (流川楓、また一つ上のステージに進んだな)
流川、仙道の顔を見る。
(テメーに勝てなきゃ日本一にはなれねえ。そして、世界で勝てねえ)
―――ループシュート
全日本ジュニアの練習、そして試合で、世界の猛者と対峙した流川が、
密かに研究していた技術だった。
そう、沢北栄治がスクープショットを身につけたように。
桜木 (ヘナチョコシュート2……)
対する陵南。
仙道が、植草に声をかける。
「植草」
植草 「ん?」
仙道 「次の攻撃、ボールくれ」
「…!!?」
越野、ニヤリ。 「お…!」
福田 (やり返すか、仙道)
仙道 「調子に乗らせるとマズイからな」
中村 「ん? 仙道君にも火がついたか」
弥生 「この試合、とんでもないゲームになる可能性があるわね…」
湘北のエースによるゴールの直後、陵南のエースもボールを要求。