宮城&桜木 VS 荒石&天崎
荒石チームが勝てば、荒石がキャプテンに。
宮城チームが勝てば、荒石が雑用係に。
口論の末、やけに壮大な条件となった勝負が、いま始まる。
ルール
●10点先取のハーフコートマッチ
●宮城チームは1本1点(スリーポイントは2点)
●荒石チームは1本2点(スリーポイントは3点)
天崎 (スリーonスリーのようなルールか…)
宮城 「もっとハンデやってもいいくらいだけどな」
彩子は嫌な予感がぬぐえない。(リョータ、油断しちゃダメよ…)
勝負開始。
荒石チームの攻撃からスタート。
ポン
宮城が天崎にボールを手渡す。
「よし。かかって来いや」
天崎、一呼吸。
(もうやるしかない……! やってやる!!)
荒石はゴール下に陣取る。ゴールに背を向けて桜木を背負う。
桜木 「…!!」
彩子 「ポストプレイだわ」
(やっぱりただの素人じゃない…!!!!)
潮崎 「ハンドをやってたからあのへんの感覚はあるんだ」
ダム、ダム…
天崎、ドリブルでボールをキープ。
(荒石、少しはできるみたいだ。まずはボールを入れてみよう)
スッ
天崎から荒石にボールが渡る。
ギャラリーが沸く。
「おおお!! アラシに渡ったぞ!!」
「さあ、アイツはどんなプレイヤーなんだ!!?」
荒石ボールを保持。背後には桜木。
そして、目で合図。 (来い!!)
天崎 (…!!)
ダッ!!!
天崎、ダッシュ。 宮城、虚を突かれる。
宮城 「しまっ……!!!」
彩子 「は、速い…!!!!」
一瞬で宮城を振り切り、ゴールに向かってカット。
天崎 (くれ!!)
ゴールを背にした体勢で、荒石がボールを手渡す。
「おおおお!!!!」
流川 (お!)
安田 (ポストプレイだ…!! アイツ、やっぱり分かってる!!)
天崎、ボールを受け取り、ジャンプ。
ダン!!
流川 「…!!?」
宮城 「…………!!!!!」
晴子 「た……!!!!!」
彩子 「高い……!!!!!」
天崎のジャンプは尋常ではない高さだった。
ギャラリーも驚愕。
「うわあああああーーーーー!!!!!!」
「高けえええええーーーーー!!!!!!」
天崎 「もらっ……!!」
「………!!!!!!???」
直後、目の前に桜木登場。
バッシイイィィィィィ!!!!!
「甘いわ!!!!!!!」
ブロックショット炸裂。
天崎 「………!!!!!」
「おおおおおおおーーーーーー!!!!!」
「出たああああ!!!!」
宮城、こぼれ球に飛びつく。
「よーーっし!! 花道!!!」
「おおおーーーー!! 桜木!!!」
「さすがは全国に出た男だ!! すげえジャンプ!!!」
天崎 「た、高い……」
(この人、このデカさでオレより跳んでる…)
荒石 「チッ…。さすがに少しはやるようだな」
天崎 「ゴ、ゴメン…」
荒石 「謝ってもしょうがねえ。次はディフェンスだぞ」
天崎 「お…、おう!!」
荒石の意外な反応に、天崎は驚く。
そして、バスケ部員やギャラリーも。
彩子 「…!!?」
安田 「アイツ、ただの不良じゃないぞ…。勝負は真面目にやってる」
宮城 (自分で行くかと思ったが、地味なプレイも普通にやってるな…)
洋平 「どーやら去年の花道とは違うな」
桜木 「ぬ!?」
宮城ボールで勝負再開。
天崎が宮城にボールを渡す。
そして、グッと腰を落とす。
宮城 「行くぜ、天崎」
天崎 (湘北キャプテン、宮城リョータ…。山王を倒したガード)
その時、桜木の声。
「リョーちん、来い!!」
宮城 「ん?」
今度は桜木のポストアップ。
荒石を背負い、ゴール下に陣取った。
宮城、ニヤリ。 「よし! 行け、花道」
スッ ゴール下へのパス。
桜木に渡った。
「来た!! 桜木とアラシ!!」
「ゴール下で勝負だ!!!!」
「でも、なんであの2人が勝負してんだ!!!」
「そうだ! 宮城とアラシの勝負だったはずなのに…」
洋平 (確かに…)
桜木 「んなもん、どーでもいい!!」
キュキュ!!!
桜木、スピンターン!
彩子 「速い!!」
晴子 「桜木君!!!」
ガッシイイ!!!!
荒石、後ろから抱きかかえるように、捕まえる。
「……!!」 桜木、バランスを崩し、ボールをこぼす。
「おおおおおーーーーー!!!??」
「おいおい!! ファウルだろ!!!」
宮城 「コラアア!!! ファウルだ!!!!」
荒石 「あ?」
特に悪びれる様子もない。
安田 「ハンドじゃあれが普通なんだよ」
晴子 「え…?」
安田が続ける。
「バスケよりも接触に寛容なうえ、5ファウルのような制限もない。
ファウルで止めるのはむしろ普通なんだ、ハンドは」
荒石 「なんだ、このくらいでダメなのかよ」
宮城 「テメエ!! ファウルしといてなんだ、その態度は!!」
スッ
桜木が後ろに現れた。
「オイ、一年坊主」
洋平 「…!!!」
高宮 「マ、マズイ!!! キレる!!!!」
野間 「花道、ストーーーーップ!!!!」
ダッ!!!
桜木軍団、ダッシュで駆け込む。
ギン!
桜木 「構わん!」
ピタ!
「…!!!?」 桜木軍団、止まる。
洋平 (花道……)
桜木、ニヤリ。
「ゴール下は戦場だ。この程度の当たりは普通よ。
ゴリだって今のくらいは許したはずだ」
晴子 (桜木君…)
荒石もニヤリ。
「ヘッ、言うじゃねえか、桜木花道。いまの台詞、後悔すんじゃねえぞ」
ザワザワ……
(なんかスゲエぞ、この勝負…)
(ああ、ただのケンカじゃねえ。こりゃマジだ)
宮城 「面白れえじゃねえか」
安田 「桜木がキレない。これをバスケの勝負だと認識してるんだ」
潮崎 「アラシって1年もマジになってる…」
角田 「勝負だな……」
ギャラリーはいつの間にか、この勝負に心を奪われていた。
一人を除き。
シュルルルルルル……
人差し指の上で回るボール。