[ 2011年08月05日 ]

#274(湘北編)……鬼キャプテン

湘北高校

新体制、初日。

 

宮城 「よーし、新入生! シューズ履いてコッチに並べ!!」


ザワザワ……

50人以上の新入生が横一列に並ぶ。


長身の者、筋肉質の者、自信ありげな表情の者、
どうやら中学時代にある程度の実績を持つ人間が多いようだ。


宮城、ニヤリ。

「今年はなかなか面白いチームになりそうだな」


横から安田が声をかける。

「どうする、リョータ? この人数で自己紹介やってたら
30分以上かかっちゃうよ?」


宮城 「自己紹介? 誰がそんなことするって言った?」

安田 「え…? だって、毎年やってるから……」


ギン!

宮城 「時間の無駄だ」


安田 「……!?」

 

そして、

一歩踏み出し、大声で指示。


「オラア!! お前ら、まずは校庭10周だ!!!」

 


「……………!!!!?」

 

ボーゼンとする新入生たち。

ザワザワ……

 

宮城 「聞こえねえのか!? 校庭10周!! 行って来い!!」

 

チョンチョン


後から宮城の肩を叩く指。


宮城 「あ?」


流川だった。


宮城 「なんだ、流川。俺のやり方に文句でもあるのか?」


クイクイ

流川、新入生たちの足元を指差す。

 

―――全員バッシュ

 

彩子 「アンタが命令したんでしょ」

 


―――よーし、新入生! シューズ履いてコッチに並べ!!

 

 

流川 「なんのタメに?」

 

「プ…!!」

思わず噴出す彩子。


続いて桜木が笑う。

「ガッハッハ!! リョーちん、初日から気合い十分だな!!」


プルプルプル

必死に笑をこらえる、他メンバー。

 

プチン!

宮城 「う、うるせえええ!!! 校庭10周、行って来おおおい!!!」

 

「ヒ、ヒィィイイ…!!!!」

新入生、そそくさとバッシュを脱ぐ。

 

宮城 「返事はーーー!!!?」

 

新入生 「ハ、ハイ…!」

 

宮城 「声が小せえええ!!!!」

 

新入生 「ハイ!!!!!!!!!」


ダッ!!

ダッシュで外に出て行く1年生。


天崎 (なんだこの人、メチャクチャだ……)

 


シーン………

新入生のいなくなった体育館。


彩子、呆れ顔。 「あーあ、一気に辞めそうだわ、これじゃ……」


桜木、ニヤリ。 「ヒッヒッヒ。やるな、リョーちん」


宮城、握りコブシをそえて返事。

「当たり前だ! 今年こそは俺たちが№1になるんだ。
去年と同じ練習やってて強くなれるわけねーだろ。
ダンナの二倍厳しくやれば、二倍強くなれる!!」


流川 (ふぅ…、どういう理論なんだか)


一同、無言。

「…………。」

 

ガラッ


そこに晴子登場。

「スイマセーン、遅くなっちゃいました~!!」


シーン……


晴子 「あれ? 新入部員はいないんですか…?」

 

ジーーーッ

みんなが宮城の顔を見る。


晴子、キョトン。 (なにかあったのかしら……)

 

宮城 「まだ、いねえ」


晴子 「え……?」


宮城 「今日からの猛練習で、生き残った奴が新入部員だ」

 

「…………。」

変わらず言葉がない他メンバー。

 

「はぁ…」 彩子、ため息。

(こんなやり方で、みんなついてくるのかしら……)

 

 


「ケッ、くだらねー」

 


宮城 「ん…?」

 

体育館の入り口に一人、長身の男が立っている。


宮城 「なんだお前、1年か?」


「そう」 長身の男、無愛想に返事。


宮城 「さっき言ったことが、聞こえなかったのか? 走って来い」


長身の男が返す。

「なんだ、ここは軍隊か? 王者を破ったチームっていうから
どんなトコかと思ったら、とんだ期待外れだ」

 

「………!?」

湘北メンバー、凍りつく。

 

宮城 「あ? なんなんだ、お前?」

長身の男 「さっき返事しただろ。新入部員だよ」


宮城 「なら走って来い。キャプテン命令だ」

長身の男 「くだらねーことしてんじゃねーよ。バスケやらせろや」


宮城 「な……!!!」


バッ

桜木が前に出た。


宮城 「花道………」

彩子 「桜木花道……」

 

桜木、ニヤリ。

「オウ、1年坊主。威勢がいいじゃねーか」


長身の男、同様にニヤリ。

「桜木花道か。ウワサどおり頭悪そーな顔だな」


カチン!!

「なんだと、コラア!!」 桜木、腕を振りかざす。

 

「桜木君!!!」

 

ピタ…!

 

晴子の声だった。

「ダメよ、桜木君。チームメイトなんだから仲良くしなくちゃ」


桜木 「ハルコさん…」

彩子 (まったく、この子は……)

 

宮城 「オイ、1年。オレの言うことが聞けねーなら帰っていいぞ」


男が踵を返す。

「言われなくてもそのつもりだよ。帰らせてもらうわ」

 

シーン……

男が去った体育館を、再び静寂が包む。


宮城 「ったく…。なんなんだ、あの生意気な1年は」


安田がつぶやく。

「結構デカかったな…。桜木と同じくらいあったぞ」

潮崎が続く。

「ああ、あの身長なら戦力になるかも……」


ギロリ!

宮城の鋭い視線。


安田・潮崎 「あ…っと。ゴメン…」

 

宮城 「あんなのが戦力になるわけねーだろ。さあ、練習だ」


「ほ…」 安田・潮崎、ため息…。


流川 (ふぅ、やっと始まるか)


宮城がボールをとる。

「よーし! ランニングシュート!!!」

 

 

少々異様な空気の体育館で、2・3年の練習が始まった。

 

練習を眺める彩子と晴子。

晴子 「彩子さん、こんな状態で大丈夫なんでしょうか…?」

彩子 「まあ、リョータらしいといえばリョータらしいけど…」

(ちょっとやる気が空回りしちゃってるわね…。
いきなり赤木先輩みたいになれるわけないのに……)


晴子 「みんなついてくるかなあ…」

彩子 「もしかしたら今日、この体育館に戻ってこない子もいるかも…」


ゴク…

晴子 「あ、彩子さん……」

 


去年より静かな体育館で練習が始まった。


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湘北編
目次

引用「Kの部屋」

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