3rdクォーター終了
深体 54
明利 55
記者席の弥生。
「残り10分。インサイドは互角となれば、勝負を決めるのは、
バックラインね。宮城君は正念場だわ」
中村、町田がうなずく。
「第3クォーターだけ見れば、20対10で明利。こんなに競るなんて…。
バックラインの出来次第で本当に勝利もありえるぞ」
『ビビーーーーーーー!!!!!!!!』
両軍の選手がコートに戻ってくる。
「さあああ!! いよいよ第4クォーター!!!」
「本当にどっちが勝つか分からなくなってきた! 明利がスゲー!!」
深体大
PG.牧 紳一/4年/186cm
SG.伊達健太/1年/184cm
SF.諸星 大/4年/189cm
PF.河田雅史/4年/200cm
C.河田美紀男/2年/213cm
明利大
PG.宮城リョータ/3年/169cm
SG.竹村智弘/4年/184cm
SF.荒石淳也/1年/197cm
PF.赤木剛憲/4年/200cm
C.花形 透/4年/199cm
コートサイドの藤真。
「メンバーは第3クォーターの最後と同じか」
深体大ボールでスタート。
牧がボールを保持。一本指を立てる。
「さあ、行くぞ!!」
対峙する宮城。
(自分で来る…! この目はゴールを狙ってる目だ)
「第4クォーター最初の攻撃だ。牧はどう来る?」
「自分で行くか? 味方を使うか?」
ダム!!!
牧、ペネトレイト発進!!
宮城 (来た!!!!)
「行った!!!」 「自ら行ったーーーー!!」
(牧、来た…!!)
赤木と花形も、ヘルプに備える。
牧が突進。
宮城が並走。
キュッ!!!
牧、急ストップ!
宮城 (なに…!!!?)
次の瞬間、ジャンプ!
宮城、ブロックに跳ぶが届かない。
バス!!!
深体 56
明利 55
ミドルレンジのバンクショットが決まった。
「おおおおおおーーーーー!!!!!!!」
「いきなり牧が来たああーーーーーーーー!!!!」
「深体大が先制だーーーー!!!!」
深体大ベンチが立ち上がる。
「よーーーーっしゃああああ!!!!!!」
「さすがは牧さん!!!!」
宮城 「ちっ……」
観客席。
三井が苦笑い。
「あの野郎、一番やっかいなプレーを決めてきたな…」
伊達翔太が続く。
「宮城さんが最もやられたくないプレーだったでしょうね。
あれだけ身長差があると、1ON1からのジャンプシュートは
そうそう止められない…」
杉山は感心の表情。
「あれだけのトップスピードから急ストップで撃って、
そんなに簡単に決まるシュートじゃないんだがな」
腕組みの桜木。
(あれはルカワが得意なプレーだな…。じいの野郎も
ちゃんと真上に跳んで、体がブレないように撃ってるな)
そして、ニヤリ。
「さあ、リョーちんとゴリは返せるかな?」
明利の攻撃。
宮城が声を出す。 「よし! 一本返すぞ!!」
「オウ!!!!!!!!!!」
例によって花形と赤木がダブルポストに入る。
赤木が吼える。
「さあ来い、宮城! ドンドン回して来い!!」
河田、ニヤリ。
(いいぜ、赤木。ガンガン来な)
宮城は苦笑。 「すげー迫力……」
(まずは中で行くか。当たっている部分で継続だ)
宮城は、ハイポストの花形にボールを入れた。
マークにつくのは、河田美紀男。
河田雅史から声が飛ぶ。
「美紀男、シュートはケアだぞ! 撃ってくるぞ」
ボールを持っている花形。
(コイツにちゃんとつかれたら、シュートは難しい。
パスを回して、動いていかないと。)
花形は外の竹村にボールを展開。
直後にローポストに移動し、河田兄にスクリーン。
入れ替わるように、赤木がハイポストに上がってくる。
同時にボールも動く。竹村から宮城へ。
ボールと人がいっせいに動き出した。
「おお! 序盤にも見せたポジションチェンジだ!」
「明利はチームプレーできた!!」
ローポストに移動した花形は、そこから外へ。
河田美紀男 「…ん? 外!?」
河田もつられるようにゴール下から外に移動。
そして、外角の花形にボールが回ってきた。
ちょうどベースライン沿い。いわゆるコーナーの位置だ。
(まさか!3点か!?) 河田美紀男が前に出る。
その瞬間、
空いたローポストに荒石が入ってきた。
「あああ……!!!」 「荒石!!!!」
そこに、花形からボールが入る。
マークは諸星。
荒石197?、諸星189?。ゴール下で1対1!
「おおおお!!! 上手い!!!」
「空いたスペースにすかさず飛び込んできた!!!」
「ここはミスマッチだ!!!!」
杉山、桜木 「上手い!!」
「あ…」
思わず声が合う。
――――ミスマッチ
全体的に明利よりサイズのある深体大だが、いまは諸星の位置だけ
相手より小さいマッチアップとなる。
明利はチーム全体で動き、このミスマッチの二人がゴール下に
来るように仕掛けたのだ。
「トリプルタワー」を生かした、明利のチームプレーだった。
荒石 「もらったーーー!!!!!」
身長差と腕の長さを生かしたワンハンドジャンパー。
(させるか!) 諸星、懸命にブロックに跳ぶ。
ボールは
ガン!!!
荒石 「ああっ!!」
リングに弾かれた。
「あああああ!!! 外れた!!!!!
「ゴール下、これは痛い!!!!」
諸星は、手を届かせることはできなかったが、上手く体を寄せて
荒石のバランスを崩した。
諸星の経験による、巧みなディフェンスだった。
桜木 (やるな、愛知の星)
「リバウンドーーーー!!!!」
ゴール近辺の選手がリバウンドを争う。
荒石 「自ら獲る!!!!!」
ピク!!
桜木 「アラシ……!!!!」
(この天才の名言を!!!!)
ビッッ!!!
大男の混戦から指先一本抜け出した荒石が、チップした。
「おおお!! 弾いた!!」 「荒石スゲエ!!」
木暮 「荒石!!」
(すごい!! ホントに桜木のようだ!!)
再びボールがゴールに向かって飛ぶ。
ガン!!!! またもやリング。
ボールが弾かれる。
「ああああ!!! 惜しいっ!!!!」
荒石 (クソ、なんで入らねえっ…!!!)
「リバーーーーーン!!!!!」
再びリバウンド!
これをもぎとったのは、
「ウホ!!!!!」
赤木!!!
「うわああああ!!! 赤木だああーーー!!!!」
桜木 「ゴリ!!!!」
晴子 「お兄ちゃん!!!!!」
明利ベンチ。
「うおおおおおおーーーーーー!!! 赤木さん!!!」
「強ええええーーーーーーー!!!!!!」
弥生 「また明利が獲った!!!!」
町田 「す…、すごい!!!」
諸星、河田 (コ、コイツら……!!!)
「ダンナ!!!」
外から声。
「オウ!!!!」
赤木、ゴール下の密集地帯からボールを外に放る。
ボールが向かう先には……
「宮城!!!!!!!」
杉山 「おお!」
桜木 「リョーちん!!!!」
三井 「宮城!!!」
木暮 「決めろ!!」
「喰らえ!! 深体大!!」
宮城、スリーポイント!
バッッシイイイ!!!!!!!
「!!!!!!!??????」
ブロックショット!!!
牧紳一!!!!
「牧!!!!!!」
「うわああああーーーー!!! 牧だあ!!!!」
走ってチェックに出た牧が、ドンピシャリでブロック!!
宮城 「牧……!!!!」
ボールが明利ゴールに向かって弾かれる。
走りながらのブロックだった牧が、その勢いのままに拾った。
「おおおおーー!!!」 「牧が獲った」
すかさずドリブル開始。
前には誰もいない。
「ああああ!!!! ワンマン速攻だ!!!」
バッッ!!!
牧が跳んだ!
「牧!!!」
「まさか!!!???」
藤真 「牧!!」
ドガアアアアア!!!!!!!
ワンハンドダンク!!!
深体 58
明利 55
「うわああああああ!!!!!!!」
「ダンク来たああああーーーーーーーー!!!!!!」
「牧ぃいいいーーーー!!!!!!」
深体大メンバー、ベンチ、応援団、そして一般観衆、共に総立ち!
諸星 「よーーっし!! 牧!!!」
河田雅史 「さすが牧!」
ベンチ 「牧さん、スゲエエエ!!!」
応援団 「牧さん!!!」
呆然とする明利メンバー。
宮城 「……。」
赤木 「牧め……」
木暮 「ま、牧……」
藤真、腕組み。
「普段はノーマークでもダンクなどしない牧が…」
神がニコリ。
「チームの勢いとゲームの流れを引き寄せるために、敢えてダンク。
効果はテキメンみたいですね」
盛り上がる深体大陣営と、まったく逆の様子の明利陣営。
勝負の第4クォーター。
まずは、帝王・牧紳一。
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大学編
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引用「Kの部屋」