深体 22
明利 19
2ndクォーター開始早々、交代で入ったばかりの深体大・伊達健太が
ミドルシュートを決め、深体大がリードを広げた。
その頃、観客席の通路で試合を眺める三人。
拓翼大、三井寿と渡邊拓也、そしてもう一人は背中に「DATE」。
三井 「伊達健太か、なかなかいいシューターじゃねえか」
渡邊 「シュートはお前より上手かったよな? 翔太」
渡邊の問いに不服そうにうなずく「DATE」。
「ん……。シュートはあっちのほうが上手いかもしれないです」
三井、ニコリ。 「まあ、お前はゲームメイク専門だもんな」
伊達翔太/2年/ポイントガード/184cm74kg/名朋工業高校出身
深体大1年・伊達健太の兄。
森重と共に名朋工業の黄金時代を築いた、スピードとパスセンスに優れた
ポイントガードである。
茶髪坊主の弟とは対照的に、彼は黒髪の坊主頭である。
三井 「ったく。お前が怪我してなきゃ、大和に勝てたかもしれねえのによ」
松葉杖をちょっと見て、伊達翔太が謝る。 「スイマセン…」
三井 「っと、ジョーダンだよ。イチイチ本気にすんなよ!」
渡邊、ニコリ 「さ、見ましょっか。健太君のデビュー戦」
記者席の町田。
「荒石君と伊達君が交替で出てきてチームのサイズが変わった。
いまはフロントラインだけ見たら明利のほうが大きいくらいだ」
弥生が返す。
「おそらく明利のゾーンに対抗してのシューター投入だわ。
ちょっと序盤は深体大が攻めあぐねてたから」
深体大
PG.牧 紳一/4年/186cm
SG.伊達健太/1年/184cm
SF.諸星 大/4年/189cm
PF.河田雅史/4年/200cm
C.河田美紀男/2年/213cm
明利大
PG.宮城リョータ/3年/169cm
SG.畑山洋平/2年/177cm
SF.荒石淳也/1年/197cm
PF.赤木剛憲/4年/200cm
C.花形 透/4年/199cm
続く明利の攻撃。
1stクォーターとは攻め方が変わり、赤木・花形・荒石の三人が
インサイドで動きだす。いわゆるトリプル・タワーである。
宮城のパス 「ダンナ!」
ボールがローポストの赤木に入った。
ハイポストから花形が要求する。 「赤木、こっちだ!」
赤木、すかさずボールを展開。
「ナイスパス!!!」
「ボールが速い!!」
河田美紀男 (あっ…!)
河田雅史 (また美紀男の野郎、空けてやがる…!!)
花形、ハイポストからジャンプシュート。
明利ベンチが声を出す。
「来た!」 「得意の位置だ!」
しかし
ガン!!!!
このシュートはリングに嫌われた。
「あああ……!! 惜しい!!!」
花形 「ちっ…」
美紀男 「助かった…!!」
そこに飛び込む影。
河田雅史 「なに!?」
バシイ!!!
「あいよーーー!!!!!」
荒石がオフェンスリバウンドをもぎ取った!
明利ベンチが立ち上がる。
「ナイスリバン!!!」 「オッケー!! アラシ!!!」
「む!!」 観客席の桜木、一瞬身を乗り出す。
荒石 (どうだ、花道!!)
しかし、着地した瞬間…
バシ!!
諸星がボールを奪った。
荒石 「あ…!!」
桜木、ニヤリ。 「そこがアマチュア!」
今度は深体大ベンチが声を出す。
「上手い!!」 「さすが諸星さん!!!」
「牧!!」 諸星が牧にボールを渡す。
牧、ボールを受け取り一気にドリブル開始。
「よっし!! 速攻!!!」
「あああ!! 深体大のカウンターだああ!!!」
「行けえ!!! 牧!!!」
荒石、ディフェンスに戻る。 「ちきしょう!」
諸星も走り出す。
(この野郎、手が異常に長えぞ。それに、パワーはねえが
リバウンドに飛び込むタイミングは抜群だ…)
ダム!!
牧が明利ゴールに向かう。
ディフェンスに戻っていたのは宮城。
「来いやあ!! 牧!!!」
ベンチの木暮 「牧VS宮城!!」
しかし、牧は宮城の目の前で、アウトサイドにボールをさばいた。
「パス!!?」
宮城 「なにっ!?」
牧 「フッ」
スリーポイントラインの外、伊達健太にボールが渡る。
「あああ!!! 伊達がフリーだ!!!」
「さすがは牧、空いた選手を見逃さない!!!」
「よし!」 ノーマークで伊達健太のスリー。
三井 (いいリズムだ!)
ボールはきれいな放物線を描き…
ザシュ!!!
「よーーーっし!!! 健太!!!!」
「ナイッシュゥウウ!!!!!」
深体 25
明利 19
深体大がさらにリードを広げた。
ガシ! 牧が伊達健太の頭を掴む。 「オーケー!」
宮城、コブシを握る。 「ちきしょう、牧。勝負しやがれ!!」
ガシ!
赤木が宮城の肩を叩く。 「このくらいで熱くなるな。勝ちたくないのか?」
「ダンナ…」 宮城、我に返る。
(っと、あぶねえあぶねえ。ここでカッとなったら思うツボだ…)
観客席の杉山。
「あの荒石という男、リバウンドもなかなかじゃないか。
さすがは練習で桜木と競っていただけのことはあるな」
桜木、しかめっ面。
「………」
コートサイド。
青葉の選手が現れた。
藤真 「牧のパスアウトからスリーポイントか」
神 「得意のプレーですね」
(あのスピードに乗ったドリブルから完璧なパスを出してくるからな…)
家村 「そしてキッチリ決めた伊達健太、1年ながら要注意だな」
2ndクォーター、新鋭・伊達健太の連続得点で深体大が主導権を握った。
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引用「Kの部屋」