[ 2010年10月10日 ]

#190(大学編)……タマシイ

後半戦。

専翔大学PG・深津のゲームコントロールが冴え渡る。

自らの3点と、機を見た速攻で一気に差を詰めた。


「5点縮めた!! 流れが専翔に来てるぞ!!」

「深津だ! 深津が流れを変えた!!」



コートサイド。

拓翼大学・三井が試合を見ている。

「しっかりしろよ、宮城」



続く明利の攻撃。

専翔は引き続きインサイドを固めている。明らかに外を捨てた守備。


記者席の弥生。

「専翔は守備のポイントを完全に絞ってきたわね。
ツインタワー以外にはやらせてもいいという割り切った守備だわ」


ボールを持つ宮城。


ある程度距離をおいて守備に入る深津。


ダム…、ダム……。




ベンチから木暮が声を出す。

「宮城! 空いてるぞ!! ドンドン打っていけ!!!」

(これで外を躊躇してしまったら、相手の思うツボだ…)


宮城の目つきが変わった。 「よし!」

シュートモーションに入ったその瞬間。


深津が一気に距離を縮めてきた。宮城にプレッシャーをかける。
激しくチェック。ボールを奪いにきた。

「あああ…!! 宮城が捕まった!!!」

「もうドリブルできないぞ!?」


「宮城さん!」 SGの畑山がボールをもらいにくる。


(ちきしょう…) 宮城、畑山へパス。



バッシイイ!!!



御子柴がスティール!


「なにぃイ!?」

「ああああああ!!!! 御子柴が外に出てきてた!!」

「狙っていたか!? 完璧なスティールだ!」



観客席の牧。

「さっきまで全く外をケアしてなかったくせに、ここぞという時は
ギャンブル的に獲りに行きやがったか…」

諸星がうなずく。

「しかも、ギャンブル成功しちまったぜ」

(深津は勿論だが、御子柴もさすがに経験豊富だな。
勝負に出るポイントをよく把握してるぜ)


専翔の速攻が決まり、さらに点差が縮まった。


明利 41
専翔 33


専翔、怒涛の7得点。この間、明利の得点はゼロ。
まさに形勢逆転である。


「どうした明利!? どうした宮城!?」


明利の攻撃。


ガン!!

再び外角のシュートが外れる。


観客席の藤真。

「攻撃のリズムがバラバラだな。あれでは入るモンも入らない」



「リバウンドーーー!!!!」

バシ!!


赤木が取った。


ベンチの木暮が立ち上がる。 「よーーっし!!赤木!!!」

赤木、自らシュートへ。


ドン!!!


思い切りブロックに入った専翔のセンター・早坂がファウル。



『ビビーーー!!!』

『ファウル!! 青12番!!』



「フリースローだ!!」



記者席の弥生。

「今のはいいファウルね。フリースローなら、リバウンドショットを
ねじ込まれるより、傷は浅いわ。流れは変わりにくい」



フリースローレーンに立つ赤木。

(フゥ…、なかなかうまく行かんな…)



ザシュ!!


「2本とも決めた!! さすがキャプテン・赤木!」




観客席の牧 「だが、流れは変わらない」



専翔の攻撃。


隙を突いた深津が、インサイドでボールを受け取る。


「あああ!! いつの間にか深津が中にいる!!?」


(チョコマカと…!!) ブロックに行く赤木。


スッ


深津、フェイク。 赤木を跳ばした。


「うまい!!!!!!」


ダム!

ワンドリブルで、ゴール下に一歩踏み込みレイアップ。


バッ!!

今度は、花形が跳ぶ!


「うおっ!! ブロック、もう一枚!!」

「ゴール下は赤木だけじゃない!!」


サッ



深津、今度はレイアップの体勢から横へパス。

「ああ、また打たない!!」

「これもフェイントだ!」



バス!!

ゴール下・逆サイドで待っていたPFの渡邊が、フリーで決めた。


「さすが深津!!! あんな密集地帯で冷静にさばいた!!」

「深津が支配している!! これは完全に専翔のペースだぞ!!」




『ビビーーーーー!!!!』

『タイムアウト!!! 明利大学!!』



「ああああ、明利のタイムだ!!」

「たまらず取ってきたか!!」


両軍、ベンチに戻る。



コートサイドの彦一。

「さすがや、深津さん。これはユニバのPGの枠に間違いなく
入ってくるで。すごい支配力や……」

(宮城さん、しっかり…!)



観客席の河田 「相変わらずのゲームメイクだな」



ガタ……


その時、河田の後ろにいた桜木が立ち上がった。




「コラアア!!! リョーチン! ゴリ!! 何やってんだ!!!」



!?


観衆が桜木に注目。



「赤いチョンマゲ…!! もしかして東洋自動車の桜木!? 」

「桜木だ!!! あの赤い髪は桜木花道だ!!」



桜木が叫ぶ。

「ピョン吉にやられっぱなしじゃねえか!!! 湘北魂を忘れたか!!」



「桜木……」


赤木、宮城、目を合わせる。


赤木 「フン、えらそーに。あのたわけが」

宮城 「あの野郎…! 関東№1ポイントガードに向かって」

赤木 「あの馬鹿に言われると余計に腹が立つな…」

宮城 「このままじゃ言われっぱなしだぜ、ダンナ…」


(この時、桜木のにやけ顔が2人の頭に浮かぶ)

(「まだまだアマチュアだね、キミ達」)



赤木&宮城 「絶対に勝つ!!!!」




「フン!」 会場がざわめくなか、桜木が静かに座る。



前に座っている牧がニヤリ。

「いいハッパだったな。湘北魂か…」


横に座っている洋平が問う。

「で、ショーホクダマシイって何だ? 花道」


桜木、自信満々の顔で

「知らん」



洋平 「…………。」



晴子、ニコリ

(フフ、意味なんて関係ないわ。十分お兄ちゃん達には届いたわよ)



『ビビーーーーーー!!!!』

タイムアウトが明けた。



赤木が両頬を叩いて、コートに向かう。

「宮城、ドンドン中に入れてこい! 何人でかかってこようが
全部決めてやる。ゴール下だけは譲らん!!!」


宮城、ニヤリ。

「OK! それでこそダンナだ」


その様子を眺めながら花形がニコリ。

「赤木、宮城、明利のバスケで行こうぜ。相手を気にする必要はない。
宮城が引っかき回して、中の俺達がゴールを決める」


畑山と竹村がうなずく。

「俺たちの出番はその後だ。ツインタワーからのパスアウトは
絶対に決めるよ。自分達のリズムで攻めればシュートは決まる」




「赤木!! 宮城!!!」


コートサイドから声。

三井寿。


悪モノの笑顔でグッとコブシを握って見せた。



グッ!


赤木と宮城は同じポーズを返した。



次の話へ
大学編
目次

引用「Kの部屋」

[ad]
結婚相談所 東京