[ 2010年08月02日 ]

#121(選抜編)……暗殺者

残り時間3分30秒

翔陽 65
陵南 58


ベストメンバーに戻った翔陽が、陵南を突き放す。



―――――このままでは、翔陽に逃げ切られる


仙道の目つきが変わった。



田岡が腕組み。
「残念ながら、ベストメンバー同士では、翔陽のチーム力のほうが上だ…。
やはりココはファウルを狙っていくしかない。頼むぞ、仙道」


ボールを持つのは植草。


仙道が翔陽のゾーンディフェンスに入っていった。

「こっちだ!植草」 仙道が、高野の前でボールを要求する。


高野が身構える。 (中で勝負に来るつもりか!?)


藤真が叫んだ。
「ファウルを狙いに来てるぞ!! ボールを入れさせるな!!
花形、2人でパスコースを消せ!!」


指示通り、花形が出てくる。 (もうコイツにはボールを入れさせん)


2人で仙道へのパスコースをふさぐ。


「ああ!! 仙道にパスが入らない!!!」

「どうする? どう攻める、陵南!?」


仙道、苦笑い。

(藤真さん、いやらしい人だな…。まともに向かってファウルを奪うのは無理か)



その時

「こっちだ」 福田がハイポストにきた。



「福田!」 植草から福田にボールが入る。


福田の背後には永野がいる。 


ダム!


高速ターンで、福田は永野を抜いた。


「おおお!! 速い!!福田!!」

「抜いたーーーーー!!!」



しかし!



ビシイ!!!!!



後ろからボールがはたかれる。



「藤真!!!!!!」

「さすが藤真だーーーーーーー!!!!!!」


藤真のスティールが出た。


そして、ボールを拾ったのは花形。


「速攻!!」 オーバースローで前方へ大きなボールを投げる。




その瞬間



バシ!!!


仙道が目の前で跳んだ。 この花形のパスを目の前でカット!


「仙道!!!」 「今度は陵南がカット!!」

「なんて反射神経だ!!!」

「さっきから、藤真と仙道のスティール合戦みたいだぜ!!」



仙道がついに翔陽のゴール下でボールを持った。


ダム!!!  仙道、高野の方に突っ込んでいく。 (来い!8番!)


藤真が叫ぶ。 「ノーファウルだぞ!! 高野!!」


高野、手をあげて仙道の前に立つ。


が、楽々仙道はかわした。 そしてレイアップ。


ザシュ!!


「やったーーーーー!!! 仙道!!!」

「これで5点差だーーーー!!!」



高野がボールを拾う。

悔しそうに歯を食いしばる。 「ちきしょう!!ファウルさえなければ!!」

相手が目の前に突っ込んできながら、見送るしかない自分にイライラが募る。


その高野を仙道が狙った。


ビシイ!!!


集中を欠いていた高野のスローインを、仙道がはじいたのだ。



「ああああ!!!カットだ!!」

「仙道がはたいた!!!」

「また仙道のスティールだ!! すげえええええ!!!」



ルーズボール!


これに両軍の選手がなだれ込んでくる。



仙道、ニヤリ。 (チャンス!)



「ルーズボールだ!!! 取れ!!」


ボールの付近にいたのは4人。

仙道、高野、藤真、福田がボールに突っ込む。



取ったのは藤真だった。


「よし!」 藤真が攻撃に移ろうとした、瞬間。




『ビビーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!』


審判のホイッスルが鳴った。


「なんだ!?」

「何の笛だ!?」




コートには仙道が倒れている。

その前には、高野が立っている。


高野は「しまった」という表情だ。 

そばにいる花形も、唖然としている。


『ファウル!!! 青(緑:翔陽) 8番(高野)!!!!!!』



「やったぜ」 倒れている仙道がガッツポーズ。


高野、膝に手を起き、腰を曲げた。大きなショックを受けていることが分かる。

目をつぶってうつむいている。


(仙道……、コイツ、ルーズボールに突っ込まずに、オレを狙ってきた…。
オレがボールを取るために走った時、すでに目の前に仙道が立っていた…)


仙道は、このルーズボール争いに参加しなかった。

その代わり、走ってくる高野の前に立った。


高野は勢い余って仙道にぶつかった。

仙道は、少々わざとらしかったが、派手に倒れた。


レフェリーからは、高野が仙道を押したように見えたのだった。

これで、予定通り、高野を仕留めた。


「うわああああああ!!!!! 高野5つ!!!!」

「5ファウル!!! 退場だああああ!!!」

「なんてこった!!!! コートに入ってまだ1分半だぞ!?」

「翔陽、コレは痛い!! 一気に高さのアドバンテージが消えるぞ!!」



高野に代わって、伊藤がコートに入った。



残り3分  高野、退場



観客席の赤木。
「これで翔陽が一気に不利になったわけではない。まだ5点のリードがある。
だが、確実に流れは変わるだろう。退場というのはそういうもんだ」

三井が続く。
「ベストメンバーに戻った翔陽の、畳み掛けるような波は一度途切れるな。
仙道のプレーが一度波を切ったんだ。だが、ここから引き寄せられるか…」



翔陽 65
陵南 60


会場がザワついている。


「すげえ……。仙道、まるで暗殺者だ…」

「狙った獲物は逃がさないな」


観衆は、ハンターのような仙道のプレーに、ちょっとした怖さを感じているようだ。




仙道、汗をぬぐいながらボソッとつぶやく。


「あと1人」


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選抜編
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引用「Kの部屋」

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