[ 2010年01月15日 ]

競技規則の質問と回答(2009年)

日本バスケットボール協会が平成21年7月1日に発表した「2009~ 競技規則,マニュアルについての質問と回答」です。


<本文>
関係各位

平成21年4月1日より施行されている競技規則およびマニュアルについて,いくつかの質問が寄せられております.それらの事項について,(財)日本バスケットボール協会では以下のように回答しております.
関係各位におかれましては,すみやかな伝達および確認と周知徹底をよろしくお願い申し上げます.

質問1:競技規則第36条36.1.4-(3)のアンスポーツマンライク・ファウルの新しい項目において,“相手チームが速攻を出そうとしているとき”という表現があるが,これは速攻が始まるときにだけ限定されて適用されるのか?
それとも速攻の間はすべて適用されるのか?

回答1:条文では“速攻を出そうとしているとき”と表現されているが,この規定は,速攻が始まるときだけではなく,速攻の間もすべて適用されるものと解釈されている.
競技規則書・解説30.⑴の後半のショット・ブロックについての部分およびそれ以降の部分については現行の文章のまま適用されるので,注意されたい.
ただし,FIBAから別の解釈が発表された場合は,その時点であらためて通知する.


質問2:フロント・コートからジャンプしてあらたにボールをコントロールしたケースで,バック・コートとフロント・コートをまたいで,すなわちセンター・ラインをまたいで着地(両足ジャンプ・ストップ)をしたとき,バック・コートの足を軸足にしてピヴォットしてフロント・コート側の足をバック・コートに移動させることは,ボールをバック・コートに返すヴァイオレイションになるのか?

回答2:このケースでは,フロント・コート側の足を床から離した瞬間にバック・コートでボールをコントロールしたことになるので,まだこの時点ではフロント・コートにはボールは進んだことにはならない.
したがって,文章の通りの行動であれば,ボールをバック・コートに返すヴァイオレイションにはならない.


質問:3.とよく似たケースであるが,フロント・コートからジャンプしてあらたにボールをコントロールしたケースで,バック・コートとフロント・コートをまたいで,すなわちセンター・ラインをまたいで着地をしたとき,
①バック・コート側の足が先に着地し,そのあとフロント・コート側の足が着地した場合
②フロント・コート側の足が先に着地し,そのあとバック・コート側の足が着地した場合
どちらの場合も,今回の変更でボールをバック・コートに返すヴァイオレイションにならないことになるのか?

回答:3.の場合は,両足が同時に着地した場合を示している.したがって,着地に時間差がある場合には,従来通り先に床に触れた足がどちらかということが問題になる.すなわち,①では,このプレイヤーはバック・コートに足が触れた瞬間に「バック・コートでボールをコントロールしたプレイヤー」ということになるので,そのあとフロント・コート側に足を触れさせてもその瞬間にはボールをバック・コートに返すヴァイオレイションにならないことになる.ただし,フロント・コート側に足を触れた瞬間にボールをフロント・コートに進めたことになるので,そのあとは,従来通りの規定が適用される.
また,②では,このプレイヤーはフロント・コートに足が触れた瞬間に「フロント・コートでボールをコントロールしたプレイヤー」ということになるので,この時点でフロント・コートにボールを進めたことになり,そのあとバック・コートに足が触れた瞬間にボールをバック・コートに返すヴァイオレイションになる.
ただし,FIBAから別の解釈が発表された場合は,その時点であらためて通知する.


質問4:バック・コートからドリブルを始めたプレイヤーがフロント・コートにボールを運ぶケースで,ドリブルをしながらフロント・コートに入った片足でジャンプし(ボールおよびもう片方の足はフロント・コートには触れていない),バック・コートにいる味方にパスをしたら,従来通りボールをバック・コートに返すヴァイオレイションになるのか?

回答4:そのドリブラーがパスをする時点でボールを片手で支え持つか両手でボール触れていればその時点でドリブルが終わり,ドリブラーではなくなっているので,その瞬間にボールをフロント・コートに進めたことになる.したがって,文章の通りの行動なら,ボールをバック・コートに返すヴァイオレイションになる.
ただし,ドリブラーがボールに両手で触れたりせず片手でも支え持ったりせずにボールをタップしたのであれば,ヴァイオレイションにはならない.


質問5:スロー・インの際,ボールがコート上のプレイヤーに触れる前にリングに当たってしまった.このプレイはヴァイオレイションになるのか?
また,ヴァイオレイションにならない場合,24秒はリセットされるのか?

回答5:ボールがバスケットにはさまったりのったりしてしまった場合はジャンプ・ボール・シチュエイションになり(第12条12.3-(7)),ボールがコート内のプレイヤーに触れる前にバスケットに入ってしまった場合はヴァイオレイションとなる(第17条17.3.1-(5))が,ボールがコート内のプレイヤーに触れる前にリングに触れることはヴァイオレイションではない.
また,コート内でライヴのボールがコントロールされていなし,ゲーム・クロックも24秒計も動いていない状況なので,24秒はリセットしないと解釈される.
ただし,FIBAから別の解釈が発表された場合は,その時点であらためて通知する.


質問6:ショットの動作が始まったあとにプレイヤーがファウルをされた.
ファウルをされたプレイヤーは,ボールを持ったまま3歩以上ステップをしてからボールをリリースし,そのボールがバスケットに入ってしまった.
バスケット・カウントを認め,さらに1個のフリースローを与えるべきか?

回答6:ファウルをされたプレイヤーがボールを持って規則で許された範囲をこえたステップをしてからショットをした場合は,ショットのボールがバスケットに入っても得点は認められない.
ただし,ショットの動作中にファウルをされたのであるから,ファウルをされたプレイヤーに2個または3個のフリースローが与えられる.


質問7:ショットの動作が始まったあとにプレイヤーがファウルをされたので,審判が笛を鳴らした.
そのあとひとつづきの動作でステップしてリングに向かってショットをしようとしたが,別の防御側プレイヤーがショットをブロックしようとジャンプしてシューターと触れ合いを起こしたために,そのショットは成功しなかった.
ショットをブロックしようとした防御側プレイヤーの起こした触れ合いは通常ならパーソナル・ファウルになる程度の触れ合いであり,アンスポーツマンライク・ファウルになるような触れ合いではなかった.
このような場合,2回目の触れ合いについてはどのように処置すればよいか?
2回目の触れ合いがなければバスケットカウント・ワン・ショットになるところが2個のフリースローになってしまうのでは,不当に不利益をこうむることにはならないか?

回答7:審判には,そのときのプレイの状況をよく感じ取って判定をすることがつねに求められる(feel for the game).
この場合,ショットをブロックしようとする行為自体は防御側プレイヤーに認められた権利であり,その動きの勢いによってはプレイを急に止めることは当然ながら不可能である.
あとから触れ合いを起こした防御側プレイヤーの動きが最初のファウルが宣せられる前から始まっているか,そうでなくても触れ合いを避ける努力をしてショットをブロックしようとしたにもかかわらず不可抗力的に触れ合いが起こってしまったものであれば,ファウルの笛が鳴ったあとに起こった触れ合いであるので無視することが適当である.
プレイの始まりがどこからかを見ておくことが重要であり,審判は,それを含めてプレイの状況を感じ取って判定をくださなければならない.
明らかにファウルの笛が鳴らされたあとで行動を起こしバスケット・カウントを防ごうとしたり,あとから起こった触れ合いがハード・ファウルに相当するものであった場合は,アンスポーツマンライク・ファウルを取り上げることも選択肢の1つとなる.
また,このような(上記のような)審判の考え方を悪用してファウルをされたプレイヤーにさらに触れ合いを起こした場合は,当然アンスポーツマンライク・ファウルの対象となる.
これらの場合(アンスポーツマンライク・ファウルを取り上げた場合)は,「特別な処置をする場合」が適用される.


質問8:ショット・フェイクに防御側プレイヤーがひっかかり,フェイクをかけたプレイヤーの上にのしかかってしまい,ボールを持ったプレイヤーがショットに行けなかった場合はどうすればよいか?

回答8:第15条15.2 の(1),(2)のあとの後段を参照すること.
「プレイヤーがショットをしようとしたときに腕をつかまれたり押さえられたりしたためにショットをすることができなくてボールが手から離れなくても,ショットの動作であることに変わりはない.」


質問9:2人審判制で,ゲーム前のオポジィット・サイドに立つ主審および副審の位置について,主審と副審がそれぞれどちら側に立つのかは決められているのか?
また,ハーフ・タイムも同様にオポジィット・サイドに行かなければならないのか?

回答9:3人審判制では,主審や副審の立つ位置についてどちら側がU1でどちら側がU2であるかは決められているが,2人審判制では,どちら側に主審が立ち,どちら側に副審が立つかは,特に決められていない.
この規定は,チーム関係者との不必要な接触を防ぐために設けられたものと考えられる.今回,あらたにオポジィット・サイドにいる時間がゲーム開始2分前までとされたのも,この考えに沿ったものであると思われる.
また,ハーフ・タイムについては,FIBAの公式大会ではハーフ・タイムが15分であるのに対し,日本国内ではハーフ・タイムが10分である場合が多いので,かならずしも現状に沿うものとはなっていない.マニュアルの趣旨と
現場での状況を臨機応変に判断して対処してほしい.


質問10:公式大会でリヴァーシブルのユニフォームを着用することは認められるか?

回答10:現行の競技規則では,リヴァーシブルのユニフォームの着用を禁止する条項・規定はない.
したがって,現行の競技規則に明記された条項(色や番号の大きさ,ロゴ・マークなど)および平成19年6月13日付発表の「2007~ ユニフォーム規定」に違反していなければリヴァーシブルのユニフォームを着用することは認められる.
なお,平成19年6月13日付発表の「2007~ ユニフォーム規定」は現在3年間の移行期間中であり,来年[平成22年(2010年)6月14日]より正式に施行されるので,各関係団体・連盟等による正式施行の準備をお願いしたい.


質問11:最近,脚全体を隠すような長いタイプのタイツやパンツまでつづく長いソックスの着用がしばしば見受けられるが,ユニフォームのパンツの下に履くタイツ様のものや長いソックス様のものについての規定を教えてほしい.

回答11:現行の競技規則では,パンツと同じように腰から履くアンダーガーメント・タイプ(タイツ様)のものは,「パンツと同じ色のもの」であるならば履くことが認められている.現在のところ長さについての規定はない.
ソックス・タイプのものは,かなり以前の規則では色についての規定があったが,現行の競技規則では色についても長さについても規定はない.
チームの識別に混乱や困難をもたらすと思われる場合は,大会やゲームごとに主催者や主審の権限で規定すればよい.


質問12:先ほどの質問10と同様に,最近,Tシャツ以外のパワー・シャツ様のものをユニフォームのシャツの下に着用するプレイヤーが増えている.
これらについての規定はどうなっているのか?

回答12:今回,競技規則で明確に禁止されたのはTシャツの着用である.
Tシャツ以外のシャツの下に着用するアンダー・ウェア等については色や大きさの規定はない.
マナーとしては,シャツからはみ出さず,色もシャツと同じ色であることが望ましいということである.
チームの識別に混乱や困難をもたらすと思われる場合は,大会やゲームごとに主催者や主審の権限で規定すればよい.


(財)日本バスケットボール協会
審判・規則部
規則委員会

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