[ 2010年07月29日 ]

#109(選抜編)……外と中

陵南が4点を先取し、翔陽が4点を返した。

現在、同点。


とはいえ、完全な同点ではない。

得点は同じだが、流れは翔陽だったのだ。





安西の指摘は、当たっていた。



―――――外の陵南より、中の翔陽が有利




藤真のゲームメイクから、4人のビッグマンがゴール下でフィニッシュする翔陽。

仙道のパスに合わせて、ガード陣と福田が得点を狙う陵南。


完全に前者の方が有利だった。



この4-4の同点から、翔陽がリードを奪いだす。



バス!!!

「よーーーーし!!永野ーーー!!!!」


バス!!!

「福田が決めたーーー!!!」


ドガ!!!!

「花形!!! ダンク来たーーーー!!!!!」


ガン!!

「ああ!! 越野のミドルが外れた!!!」



確実に得点を重ねる翔陽に対し、陵南の攻撃はなかなか機能しない。


1stクォーター半分が終わった時点で

翔陽 10
陵南  6



彦一が不安げに見ている。
「ああ、ちょっとずつ点が離れだした……」

田岡は黙って見ている。
「………。」





そして、もう一つの差。



「OK!!!! ナイスリバン、高野!!!」

「花形が取った!!! また翔陽ボールだ!!」



リバウンドである。



観客席の赤木。
「これだな、両軍の決定的な違いは…。ゴール下は完全に翔陽が支配している」

三井が続く。
「陵南に外角のシュートがないのが痛いな。翔陽のディフェンスが広がれば
リバウンド争いにチャンスが生まれるんだが」



不気味な高頭のひと言。
「これは相性が悪すぎだ。陵南にとって、翔陽はウチ以上にやりにくいチームだろう」

牧が苦笑い。
「でかいチームってのは怖いな…」



陵南のシュートミスはことごとく翔陽のものとなった。

ただでさえシュート率にハンデがある上に、リバウンドも圧倒的に翔陽。

これでは、点差が開くのも当然であった。



そして、最初の10分が終わったときには、点差は10点にまで開いていた。


翔陽 22
陵南 12




2分のインターバル。



声が飛び交う翔陽ベンチ。

「よーーーし、いいぞみんな!この調子で行こう!!」

「向こうで怖いのは仙道と福田だけだ。他は高さで勝負すれば問題ない!!」


それでも、藤真は冷静さを保っている。
「勝負は何があるか分からん。最後まで気を抜かずに戦うんだ」




陵南ベンチ。


仙道がドリンクを取る。
「ふぅうう、こりゃ大変だな……」

福田は少々イライラしている様子。
(くそ……)


田岡が切り出す。
「やはり高さで不利になるな。だが、まだ想定の範囲内だ。
序盤でこうなることは分かっていた。焦る必要はないぞ」


「!?」 陵南メンバーが田岡に注目する。


田岡が続けた。
「高さのハンデを埋める方法はある。次の10分でそれを行なう。
そして後半勝負に行く。いまは我慢の時間帯だ、頑張れ」


そして、陵南メンバーに田岡が策を与える。

聞き入る陵南選手たち。



『ビビーーーーー!!!!!!!!』

『再開します』



2ndクォーター開始。


両軍がコートに戻る。



10点差を追いかける陵南は、どういう作戦に出るのか。



仙道が福田に声をかけた。

「福田、頼むぞ」


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選抜編
目次

引用「Kの部屋」

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