秋田選抜の優勝で、秋のトーナメントは幕を閉じた。
山王の選手たちが大声で歌い、叫び、喜びを爆発させているなか
山王工業・堂本監督がインタビューを受けていた。
インタビュアー。
「堂本監督。夏の敗北からの王座奪還、率直な感想からお願いします」
堂本監督。
「夏の敗北が山王を強くしてくれました。あの負けがあったからこその
今回の優勝だと思っています。選手は大きく成長してくれました」
インタビュアー。
「2度愛知に追い上げられましたが、逆転は許しませんでしたね」
堂本監督。
「やはり負けた経験が大きいと思います。勝負の厳しさを知った
深津が最後に仕事をしてくれました」
インタビュアー。
「今回はなんと言っても、準々決勝の神奈川選抜との試合が印象に残るのですが」
堂本監督。
「神奈川に限らずどのチームも強かったです。ただ、神奈川には絶対負けたくない
という気持ちがあったのは確かですね。連敗は許されないですから」
インタビュアー。
「全体を通しての勝因をお願いします。キーとなった選手は誰になりますか?」
堂本監督。
「全員です。試合に出ていない選手も、練習でスタメンの相手を務めています。
全員の力がなければチームは強くなりません。みんなが勝因です」
インタビュアー。
「おめでとうございました。選抜も期待しています」
堂本監督。
「はい、冬も優勝目指して頑張ります。ありがとうございました。」
会場から拍手が注がれた。
次はMVPに輝いた沢北のインタビュー。少々緊張しながら答えている。
その様子を深津と河田が笑顔で見ている。 「まだ青いな」
そのころ、愛知選抜のベンチにも記者が群がっていた。
もちろん、ターゲットは得点王の森重だ。決勝で敗れたとはいえ、
大会を通して一番のインパクトを残した怪物をメディアは放っておかなかった。
「なにそれ?じゃなくて今日の相手だよ!!まだ覚えてないのか!!?」
森重は今日の相手が山王だということを分かっていなかったようだ。
そして、観客席にも記者が来ていた。
つかまったのは仙道だった。
記者が興奮しながら話しかける。
「仙道くん、冬の選抜の意気込みを聞かせてくれ。キミがいる陵南が
全国に出てくれば、台風の目となるのは間違いないんだ!!」
仙道は、まいったなという表情。
「いえ…。いつも通り一生懸命やるだけです」
なぜかそこに彦一が乱入。目が血走っている。
「記者さん、いっぱい記事書いてください!!仙道さんはホンマに天才なんです!!」
「き…、君は誰だい? いきなり…」 少々困った表情の記者。
決勝終了後も、しばらくは慌しいままの会場だった。
記者のノートにはこう書かれている。
インターハイ準優勝の海南、山王を破った湘北
仙道を擁する陵南、全国の常連翔陽
国体で一大センセーションを巻き起こした男たちが
今度は再びライバルとなり
たった一つの枠を巡るサバイバルに挑む
神奈川は日本一の激戦区かもしれない
日本一の激戦区、神奈川県の“熱い冬”がまもなくやって来る。
リハビリセンターで汗を流すあの男も復活の時を待っている。
「絶対勝ーーーーーーーーーーーつ!!!!!!!!」
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序章&国体編
目次
引用「Kの部屋」