[ 2010年06月05日 ]

ベン・ウォーレス(Ben Wallace)



ベン・ウォーレス(Ben Wallace, 1974年9月10日 - )は、アメリカ合衆国のバスケットボール選手。北米プロバスケットボールリーグNBAのデトロイト・ピストンズに所属している。アラバマ州ホワイトホール生まれ。

身長206cm(実際は201cmと公言している)、体重約109kg。純粋なポジションはパワーフォワードだが、類まれなフィジカルの強さと身体能力の高さからセンターを務めることのほうが多い。事実、センタープレーヤーとのマッチアップが多い。過去NBA最優秀守備選手賞を4回受賞するほどの高いディフェンス能力をもった“純ディフェンシブプレーヤー”。愛称はビッグ・ベン。無名校出身でドラフト外からNBA入りし、現在の地位を築いた苦労人で、叩き上げのNBAスーパープレーヤーである。



学生時代>
11人兄弟の10番目で、幼少時代は兄弟とバスケットボールに打ち込んだ。弟分のベンはろくにパスをもらえず、この頃から既にリバウンドとディフェンスに精を出していたという。

高校時代はバスケットの他にアメリカンフットボール、ベースボールをやっておりいずれも州の代表に選ればれるほどのアスリートだった。にもかかわらず大学からはフットボーラーとしてのスカウトはあってもバスケットボーラーとしてのスカウトは無かったという。

クリーブランドの短期大学で2年プレー後、高校時代からベンに注目していた元NBAプレーヤーのチャールズ・オークリーの推薦で2部リーグ校バージニア・ユニオン大学に編入。



<ワシントン・ブレッツ>
卒業後はNBA入りを熱望していたが、ドラフトでどのチームからも指名されず、イタリアでプレイした後ルーキーフリーエージェントとしてワシントン・ブレッツ(現ワシントン・ウィザーズ)に入団した。因みにボストン・セルティックスのサマーリーグでは、身長の関係から有無を言わさずシューターとしてコンバートされ、シュート力皆無の彼はすぐに解雇されたという逸話がある。

ブレッツでは控えながら得意のリバウンドとディフェンスでアピールした。1999-2000シーズン開幕前に、ベンのディフェンスに目をつけたオーランド・マジックがトレードで獲得、マジックでは出場した81試合全てに先発出場を果たした。1試合平均13.2リバウンド、1.6ブロックと、ディフェンス面で持ち味を十二分に発揮し、前評判の非常に低かったチームをプレーオフ後一歩まで引き上げる要因となった。


<デトロイト・ピストンズ>
2000年8月3日に、グラント・ヒルとのトレード駒としてデトロイト・ピストンズへ移籍することとなった。
ピストンズ移籍後は、脅威のディフェンス力を発揮しリーグを代表するインサイドプレーヤーとして開花。

ベンは2001-02、2002-03、2004-05、2005-06の計4シーズンに渡りNBA最優秀守備選手賞を獲得。
特に2001-02シーズンはリバウンドとブロックショットのタイトルを同時に制した史上4人目の選手となった。
翌2002-03シーズンも2年連続リバウンド王を獲得した。
2003-04シーズンにはチャウンシー・ビラップス、ラシード・ウォーレスら強力なチームメイトを得てNBAファイナルに進出。最強のセンター、シャキール・オニール率いるレイカーズを4勝1敗で退け、NBAチャンピオンに輝いた。
翌2004-05シーズンもファイナルに進出。サンアントニオ・スパーズに敗れたものの、ウォーレスは自己最高成績の9.7得点を挙げる。2003年のオールスターでは東カンファレンスの先発センターとして出場している。当時のベンの人気は非常に高く、ピストンズのホームコートは彼のトレードマークであったアフロヘアのウィッグを被ったファンで賑わっていた。
しかし、新ヘッドコーチのフリップ・サウンダース体制の下で徐々に居場所を失っていった。



<シカゴ・ブルズ>
2006年7月13日、ウォーレスはシカゴ・ブルズと契約した。しかしシーズン開幕から自身もチームも不調、さらにチームで禁止されているヘッドバンドをつけスコット・スカイルズHCと対立など、序盤は苦しいシーズンを送ったものの、チームメイトの活躍、そして自身の調子も上がり、3年連続のプレーオフ進出に貢献したがカンファレンスセミファイナルで古巣のピストンズに敗れた。



<クリーブランド・キャバリアーズ>
2008-09シーズン、レードデッドラインの2008年2月21日、3チーム11人が絡む大型トレードにてシカゴ・ブルズからクリーブランド・キャバリアーズへと移籍した。



<その後>
故障により欠場が増え個人成績は低迷するようになり、2009年のファイナル終了後は一時、引退を匂わす発言もしたがシャキール・オニールとのトレードでサーシャ・パブロビッチと共にフェニックス・サンズへ移籍することが決まった。

2009年7月13日、サンズはウォーレスをバイアウトし、ウォーレスは引退を決意した。 しかしリチャード・ハミルトン、テイショーン・プリンスのピストンズの黄金期を共に築いた2人の友の説得により2009年8月7日、ウォーレスはピストンズとベテランミニマムで契約することに合意、キャリアの中でも栄光の時期を過ごした古巣に戻ることになった。



<プレイスタイル>
過去4回の最優秀選守備選手賞を受賞した彼は、「ディフェンスのオールラウンダー」や「NBAベスト・ディフェンダー」と評されるほど、ディフェンス能力に高い評価がある。

身長206cm(実際は201cmと公言している)とインサイドプレーヤーとしては非常に低身長なのだが、アスリートぞろいのNBAの中でも圧倒的な筋肉量を誇っており、約109kgの体重に対しての体脂肪率は常時4.0%未満という筋肉質な体格のもち主である。その肉体が生み出すパワーと跳躍力によって、抜群かつ絶妙のタイミングで自分よりも10cm以上も高い選手たちのシュートを次々とファウルもせずに吹き飛ばすようにブロックする様は圧巻である。彼のブロックショットの技術は確実性と破壊性をもち併せているために、立ち向かう者は皆無である。自他共に認めるウエイトトレーニングマニアであり、自身の体重の倍近い約209kgものベンチプレスを持ち上げる恐るべき怪力の持ち主でもある。跳躍力にも優れており、抜群のボディバランスと他の選手を凌ぐ最高到達点で、迫力ある様々なダンクシュートを決める。リバウンド争いにも類まれな強さを発揮する選手で、歴代屈指の名リバウンダーであるデニス・ロッドマンに比較されるほどのリバウンドにかける嗅覚・執念をもっている。

彼の本来の純粋なポジションはパワーフォワードであるが、フィジカル能力やディフェンス能力に非常に優れているため、チーム内では実質的なセンターを務めることのほうが多い。自分より10cm以上高いプレーヤーとのマッチアップにおいても、彼の能力は十二分に発揮され、インサイドでは鬼のごとく激しく厳しいディフェンスを繰り返す。広い肩幅に加えて、7フッター以上(213cm以上)のセンタープレーヤーに匹敵するほどのウイングスパンをもっており、ブロックやリバウンドの際の強みとなっている。インサイドプレーヤーでありながら、スティールを非常に得意としている。彼の推測される垂直跳びは約107cmであり、その鋼のような筋肉を備えた彼のリバウンドやブロックの際の空中戦に立ち向かうものは、ことごとく吹き飛ばされ、コート上に叩きつけられている。彼の206cmという身長は、一見すればバスケットにおいては最大の弱点とみなされるが、学生時代より続けている、長年の地道なウエイトトレーニングで培った強靭かつ柔軟な肉体と、驚異の身体能力でそれを補い、ありあまる能力を発揮している。

一方、オフェンス面においてはリーグ最下層である。主な仕事はリング下でのこぼれ球処理や味方へのスクリーナー等数字に残らないプレーに極めて限られており、シュートバリエーションも少なく、中距離以上のシュート力皆無の彼は、ほとんどの得点がダンクシュートであり、90年代の名ディフェンダーデニス・ロッドマンに比較されることも多い。特にフリースローにいたっては、キャリア通算で41.8%で、これはNBA史上でも最低クラスであり、ハック・ア・シャックならぬワック・ア・ウォレスの標的となっている。


<その他>
・アフロヘアは長らくベンのトレードマークであった2001-02シーズン、好調ピストンズの原動力となったベンとジェリー・スタックハウスの二人で「ben & jerry'sアイスクリーム」の宣伝キャラクターを務めていた。

・手首の関節に異常があり、スナップを利かせると骨が外れカクカクなるためシュートが入らない。フリースローの低確率の原因とされている。

・ヘアスタイルは彼の長年のトレードマークでコーンロウとアフロヘアの2通りがあった。コーン・ロウは頭皮に負担がかかるので7日経つと解いて、更に7日頭皮を休ませていた。因みにアフロの時の方がチームは勝率がいいため、プレーオフ期間はアフロであった。しかし、2008-2009シーズンの2月、オールスター休暇中の怪我(ローラーボードで遊んでいた際、誤って転倒し、自動車のガラスに右腕前腕部をぶつけ、10針縫った)を境に丸刈りになった(同時期にアレン・アイバーソンやカーメロ・アンソニーも丸刈りにした)。

・2004-05シーズン前に盲腸炎の手術を受けた。

・腕にロンドンにある時計台「BigBen」のタトゥーをいれている。これは、自身のニックネーム「ビッグ・ベン」とかけている。また、ウォーレスが交代してコートに入る時や得点した時など、キャブスのホーム、クイックン・ローンズ・アリーナでは「BigBen」の鐘が鳴らされる(全く同じ鐘が、ミルウォーキー・バックスのチャーリー・ベルについてもバックスのホーム、ブラッドリー・センターでは同様に流されている)。

・現在でも8人の男兄弟の中で最も身長が低い。

・ヘアバンドを常時着用している。



<タイトル・記録>
・最優秀守備選手賞:2002, 2003, 2005, 2006
・オールNBAディフェンシブ1stチーム:2002, 2003,2004, 2005, 2006
・オールNBAディフェンシブ2ndチーム:2007
・オールスター出場:2003 ~ 2006
・リバウンド王(1試合平均):2002 (13.0), 2003 (15.4)
・ブロック王(1試合平均):2002 (3.5)
・4シーズン連続で1000リバウンド、100ブロック、100スティールを記録した唯一の選手
・ドラフト外からオールスターの先発に選出された唯一の選手
・最優秀守備選手賞を4回獲得したのはディケンベ・ムトンボとウォーレスのみ