[ 2010年05月29日 ]

[NBA]Playoffsサードラウンド:マジック(E2位)vsセルティックス(E4位)

2010playoffsへ

<プレビュー>
オーランド・マジックは、ファーストラウンドではプレイオフ初出場のシャーロット・ボブキャッツを、セカンドラウンドではミルウォーキー・バックスに苦しめられようやく立ち上がったアトランタ・ホークスを、それぞれスウィープした。ボブキャッツは新参者、ホークスはもう競い合う余力を残していなかっただけに、マジックにとっては運が良かったとも言える。

そしてカンファレンス・ファイナルは予想されたレブロン・ジェイムス率いるクリーブランド・キャバリアーズではなく、想定外だったボストン・セルティックスとなった。セルティックスはひと月前には選手の高齢化が原因でもうチャンスはないと考えられていた。キャブスを撃退した翌朝のメディアの見出しも、「セルティックスが勝った」ではなく、「レブロンが負けた」という文字が躍った。

だが今のセルティックスには勢いがあり、更に2年前に優勝した経験もある。昨季のセカンドラウンドでは4勝3敗でマジックが勝ったが、ケビン・ガーネットが怪我をして不在だった。今季のレギュラーシーズンもマジックが3勝1敗としているが、いずれも接戦だった。セルティックスはKG、レイ・アレン、ポール・ピアースのビッグスリーが揃う最後の年とも考えられるだけに、2度目の優勝を目指す本気度が違うだろう。

だがこのシリーズの見どころはセルティックスの3人と、マジックのドワイト・ハワード、ビンス・カーターの対決だけではない。今季オールスターにも選ばれ、プレイオフでも大活躍しているレイジョン・ロンドと、昨季のプレイオフは怪我でほとんど不出場となったが、今季のプレイオフでは大ブレイクしているジャミーア・ネルソンという、真のPG対決が大きな注目を集める。

レブロン・ジェイムスを破り、2度目の優勝を目指すセルティックスが、今季のプレイオフで1敗もしていないマジックに土をつけることができるか。だがもしマジックが勝ち上がり、ウェストではもしフェニックス・サンズがロサンゼルス・レイカーズを下す大番狂わせが起きれば、マジックはレブロンとコービー・ブライアントとの対決を避けることができる。そんな幸運に恵まれて、初優勝に突進できるだろうか。


<見どころ>
・ハワードはセルティックスをファウルトラブルに持ち込むことができるだろうか?
ハワードのリバウンドとショットブロック以外の強さは、相手チームをファウルトラブルに陥らせることだ。ファーストラウンドでは自らがファウルトラブルに陥ったが、セカンドラウンドでは賢明になってコートに残り、59%の成功率と苦手なフリースローを18本中13本決めた試合もあった。もしハワードがファウルバトルに勝ち、フリースローも決めることができれば、ファイナル進出が見えてくるだろう。

・ロンドとジャミーアはどちらがプレイオフで活躍しているだろうか?
ロンドはキャブス戦で目覚ましい働きをし、ジャミーアはボブキャッツ戦でチームMVP級のプレイをするなど、甲乙つけがたい。小さすぎると言われたジャミーアは2004年のドラフト全体20位(PGとして4人目)、シュートが打てないと言われたロンドも2006年のドラフト全体21位(PGとして同じく4人目)でリーグ入りしたが、下馬評を覆して見事な成長を遂げている。

・ドック・リバースHCにとってはハッピーな帰郷となるのだろうか?
リバースHCはオーランドに住んでおり、1999年から2003年までマジックの指揮を取った最初のシーズンの2000年にコーチ・オブ・ザ・イヤーを受賞した(41勝41敗と勝率5割以下のコーチが受賞したのは史上初)。マジックは2000年にキャップスペースを空け、ティム・ダンカンとグラント・ヒル獲得を狙ったが、ダンカンはスパーズに残留。ヒルは入団したが怪我が相次ぎ、リバースHCはトレイシー・マクグレディだけでは成功できず、2003年シーズン開幕後、1勝10敗となった時点で解雇された。

・十分な休養期間はマジックにとって有利だろうか。
マジックはファーストラウンド後は6日、セカンドラウンド後も5日間のオフの日があった。休養を要する怪我人もおらず、スタン・バン・ガンディHCの熱血指導を受けたマジックは、フレッシュな体と心構えで臨んでくるだろう。セカンドラウンドを終えたばかりのセルティックスの不利は否めない。

・ドウェイン・ウェイドとレブロン・ジェイムスといったスーパースターを下したセルティックスは、3番目のスーパースターを打倒できるだろうか?
ハワードのアグレッシブな動きに対抗するには、ケンドリック・パーキンスがどれだけ賢いプレイができるか、またKGがウィークサイドでしっかりサポートできるかにかかっている。


<予想スタメン>
マジック vs セルティックス
PG ジャミーア・ネルソン vs レイジョン・ロンド
SG ビンス・カーター vs レイ・アレン
SF マット・バーンズ vs ポール・ピアース
PF
ラシャード・ルイス vs ケビン・ガーネット
C ドワイト・ハワード vs ケンドリック・パーキンス


<ゲーム1>2010/05/16
イースタン・カンファレンス・ファイナル第1戦、ボストン・セルティックス対オーランド・マジックは、ポール・ピアースとレイ・アレンが合計47得点を挙げる活躍をみせ、序盤からゲーム展開を支配したセルティックスが、92-88で勝利した。

ピアースの3Pから始まった試合は、前半終了までにセルティックスのオフェンス、ディフェンスが冴え渡り、マジックに反撃のチャンスを与えない展開となった。
ハーフタイムまでに9本全ての3Pをミス、そしてターンオーバー12を記録したマジックに対し、セルティックスはアレンが得意のジャンパーではなく、インサイドに切り込んでのレイアップを多用、前半終了までに41-32とリードを広げていく。

第3Qになってようやく3Pが決まり始めたマジックは、一時42-45と3点差に迫ったが、ピアースの3Pから17-2のランでリードを広げ、再び流れはセルティックスへ。
セルティックスはその後も固いディフェンスでマジックを封じ、第4Q残り5分半からピアース、アレンのフリースロー以外で得点を挙げることはなかったものの、勝利には十分だった。

アレンは、「試合の大半で、ジャンパーではなくドライブすることの方が得策だと思った。序盤から心がけていたことは、インサイドに果敢に攻め込むこと」とコメント。続けて、ドワイト・ハワードがシリーズ勝利宣言をしていたことに関して、「自分達が出来ると信じていること、そしてやってやろうと思っていることが多くある。でも、思うだけで、俺はプレイで見せられれば良いと思っている。チーム全員も同じように考えていると思うし、自分達が向かうべき場所がどこかは理解しているつもりさ。相手が何を言ったかなんて、試合に持ち込むことじゃない」と、気にする素振りを見せなかった。

マジックにとっては今プレイオフ初の敗北、そしてホーム敗戦は3月14日以来のことになる。ピアースは、「彼らが負けたのは大分久しぶりなんだって?そんなこと考えてもいなかった」と語った。

勝ったセルティックスは、アレンが25得点、ピアースが22得点、ラシード・ウォーレスが13得点を記録した。

セルティックスのドック・リバースHCは、「今日はディフェンシブなゲームだった。我々にとっては理想的な展開だ」とコメントした。

一方のマジックは、ハワードがファウルトラブルに苦しみ13得点、12リバウンド、7ターンオーバーと低迷。ビンス・カーターが23得点を記録し、状況を打破しようとしたが、アトランタ・ホークスをスウィープしてからの休養期間が長過ぎたのか、プレイに精彩を欠いた。

カーターは、「相手は準備万端でシリーズに臨んできた。序盤からオフェンスとディフェンスで圧倒されたよ」と試合を振り返った。また、「何とか挽回しようと思ったけれど、終盤にあの点差で、彼らのようにディフェンスされたら、展開を変えるのは難しい」と語った。

スタン・バン・ガンディHCは、「選手達は精一杯プレイした。ただ、今日は相手が我々を上回ったというだけのこと」と、試合勘が鈍っているという指摘に反論し、「相手の固いディフェンスを上回るオフェンスの方法を考えないといけない。それにターンオーバー数の減少、そしてディフェンス面での対応が急務だ。我々は簡単には諦めない。今日は点差を跳ね返すことが出来なかったがね」と話した。

カーターは、「チームの目を覚ますには丁度良い負けだったのかもしれない。誰だって試合から色々と学びたいと思うだろうし、勝ちたいと思うのも当然。今日はチームの思うように試合が進まなかっただけのこと」と、初戦敗退を前向きに捉えた。
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<ゲーム2>2010/05/19
第1戦に続きセルティックスがディフェンシブな展開で試合をリードし、95-92で勝利。シリーズを2-0とリードした。

このシリーズが始まるまで、44日もの間負け無しだったマジックを相手に、セルティックスはチームの代名詞である固いディフェンスを駆使し、連勝を記録した。

セルティックスのディフェンスが冴えていたことは、第3Qにマジックが約7分間1本もFGを決められなかったことが証明している。セルティックスは試合を通して、ラシャード・ルイス、ジャミーア・ネルソンへのマークを徹底して行い、マジックオフェンスを機能させなかった。
第4Qにはポール・ピアース、ラシード・ウォーレスらがファウルトラブルに苦しみ、終盤にはビンス・カーターのジャンパーで90-89と逆転されたが、残り2分45秒、ケビン・ガーネットが再逆転のジャンプショットを決めて勝ち越すと、最後までリードを保った。

ルイスのマークについていたガーネットは、「ガッツと気概で相手を抑えた。48分間を通してディフェンシブなプレイが出来た」と、試合を振り返った。

ピアースは、「今シーズンを通して、俺達はロードに強いチームだ。これまでの3年間同じ時間を過ごしたチームだし、色々な状況を全員で経験してきた。どんな厳しい場所だろうと、敵対されようと、俺達は動じない」と、連勝に胸を張った。

セルティックスのドック・リバースHCは、「非常に気持ちの入ったゲームだった。相手も最後まで色々な方法でぶつかってきたが、我々は相手の攻撃に抵抗出来た」と語り、続けて「我々はこの戦い方を継続しなければならないし、今のところはそれが出来ている」と選手達を称えた。
またリバースHCは、「コーチ達には、ハーフタイムの際に『これがチームのあり方だ』と話していたんだ。勝つか負けるかは別として、選手達は試合に素晴らしく集中していた」と、戦う姿勢を評価した。

勝ったセルティックスは、ピアースが28得点、レイジョン・ロンドが25得点、8アシストを記録。ピアースとケンドリック・パーキンスは、第4Q途中にファウルアウトとなった。

一方、昨シーズンのファイナル第4、5戦以来となるホームでの連敗を記録したマジック。カンファレンス・ファイナルまで無敗で勝ち進んできたが、ここにきて、ロードで必ず1勝を挙げなければならない状況に追いやられてしまった。

ルイスは、「レギュラーシーズン中に相手ホームで勝っているし、今回もそうするまでだ。今シーズンのセルティックスは、過去数シーズンと比べてロードに強いけれど、ホームで弱い状態にある。このシリーズでも、その傾向のままだと良いんだけどね」と、第3戦からの巻き返しを誓った。

スタン・バン・ガンディHCは、「シュートセレクションは最悪だった。それにオフェンスで有効だったプレイを継続出来なかった」と怒りをあらわにした。

30得点、8リバウンドを記録したドワイト・ハワードは、「まだシリーズは終わっていない。このままの流れが続くなんて信じないし、チームメイトにも下を向かせない。まだまだ戦い続ける。絶対に」と、力強く宣言した。

マジックはハワードの他に、カーター、JJ・レディックがそれぞれ16得点を記録したが、セルティックスのディフェンスにFG成功率を39.4%に抑えられた。
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<ゲーム3>2010/05/23
第3戦は、セルティックスが試合を通して攻守でリードし94-71で快勝。シリーズを3-0とし、ファイナル進出まで1勝に迫った。

文字通り完勝という試合は、セルティックスがショット、ディフェンス、オープンな選手へのパス回し等、あらゆる面でマジックを上回り、勝利に対する執念の差をみせつけた。

セルティックスの勝利に対する気持ちが現れたプレイは、第2Q残り8分37秒、レイジョン・ロンド(11得点、12アシスト)が、ジェイソン・ウィリアムスの背後から床を這うように飛び込んでボールを奪い、レイアップに繋げたシーンだろう。普段であればNBAのプレイヤーが見せないようなプレイだったが、勝利にかける意気込みは観客全員に伝わった。
結局このプレイ後、セルティックスは15点差以内に詰め寄られることなく、圧勝した。

ケビン・ガーネット(10得点)は、「本人に『プレイオフを象徴するようなプレイだった』と伝えた。純粋に勝利を追及する人間のプレイだったとね」とコメント。更に「今日は俺のミスは少なかったはずだ。チーム全員がやるべきことをやった結果さ」と、快勝を喜んだ。

セルティックスは、ケンドリック・パーキンスがペイント内で固いディフェンスをみせてドワイト・ハワードを封じ、マジック得意の3Pへのディフェンスも徹底した。スペースを空けないタイトな守りをみせたセルティックスに対し、マジックのシューター達も狭い範囲でショットを打つことを強いられ、リズムに乗れなかった。

セルティックスはロンドらの他に、ポール・ピアースが15得点、レイ・アレンが14得点を記録した。

一方、全ての面でセルティックスに歯が立たなかったマジック。試合後に選手達が意気消沈していた様子から、事態の深刻さがうかがえた。

ハワード(7得点、7リバウンド)は、「気持ちが試合に入っていなかった」とコメント。マット・バーンズは、「相手の方がハードにプレイしていた。それに俺達よりも勝利への欲が強かった」と話し、スタン・バン・ガンディHCも、「最後まで戦い抜くことが出来ていなかったと思う」と、完敗に肩を落とした。

既にシリーズが終わったかのように気落ちしているマジックだが、第4戦は24日に予定されているため、問題を改善するのに1日しか猶予が残されていない。
バン・ガンディHCは、「上手くいっていない時こそ、誰でも現実から逃げたくなるものだ。批判からも逃げ出したくなる。私は、選手達がそう考えていると言っているのではなく、それが自然な反応だと思うと言っているだけだ」と語った。

バン・ガンディHCは続けて、「よほどメンタル面が強い人間でなければ、この状況を克服することは出来ないと思う。『まだまだ負けていない。これから全員で状況を変えてみせる』と言って、実際に実行するのは簡単じゃない。しかし、そのくらいのタフさを持っていなければ、我々はここにいるべきではない」と話し、0-3からの逆襲を誓った。
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<ゲーム4>2010/05/25
オーバータイムにまでもつれる接戦となり、マジックが96-92で勝利。4戦目にしてシリーズ初勝利を記録し、1-3とした。

3連敗を喫し、第3戦の試合後にはスタン・バン・ガンディHCが、「1番の敵は、『もうどうでもいい』と思ってしまう心理面にある。こういう展開になれば、それが人間の自然な反応だと思う」と語る等、メンタル面での修正が急務となっていた。

しかし、これまでとは変わり、マジックは点差を離されても諦めず、自分達の勝利を信じ続けた。ドワイト・ハワード(32得点、16リバウンド)は、「試合前、チームメイトには『自分達の実力を信じられないとか、試合への不安、恐怖は置いておいて、とにかく勝ちにいこう!』と話したんだ。俺達はまだまだやれるし、シリーズに勝利したい」と、第3戦後から気持ちを切り替えたと主張した。

プレイから気持ちの変化が感じられたマジックは、ジャミーア・ネルソン(23得点、9アシスト)がレイジョン・ロンド(9得点、8アシスト)とのマッチアップに勝利。インサイドに果敢にアタックして味方へのチャンスを作り、第1オーバータイムでは勝ち越しとなる3Pを2本続けて決める等の活躍をみせ、勝利に貢献した。

ハワードはネルソンについて、「第3戦まではアグレッシブになりきれていなかったようだね。今日は凄く積極的だった。セカンドラウンドまではずっと今日のようだったし、これからも今日のようにプレイしてもらわないといけない」と称えた。

JJ・レディックは、「第3戦までのことは皆、気持ちの奥にしまったと思う。今日はロッカーでも声を上げて、とにかくイケイケで試合に臨めた」と試合を振り返った。

一方、4連勝でファイナル進出とはならなかったセルティックスは、レイ・アレンが5本の3P(7本中)を挙げてマジックの勢いを止めようとしたが、第3戦までキーマンとして活躍したロンドの不調、そしてケンドリック・パーキンスとケビン・ガーネットが合計17得点とリズムに乗れず、延長戦で勝利を拾うことが出来なかった。

アレンは、「誰でも色々なことを考えるもんさ。明日何が起こるかなんて誰も考えたりしないだろ。チームには素晴らしいタレントが揃っているし、オフェンスでもディフェンスでも個人レベルで展開を変えられる選手が揃っている。でも、それが時として悪い方に働くことだってあるんだ」と、敗因を分析した。

ポール・ピアースは32得点を記録したが、FG25本中11本とショットセレクションに問題があり、試合が進むほどリングまで届かないショットが多くみられた。
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<ゲーム5>2010/05/27
イースタン・カンファレンス・ファイナル第5戦、1勝3敗と王手をかけられたオーランド・マジックが、25本中13本の3ポイントを成功させて 113-92とボストン・セルティックスを圧倒し、シリーズの行方をボストンでの第6戦へと引き延ばした。一時3連敗で窮地に立たされたマジックだが、これで2勝3敗とし、2年連続ファイナル進出を信じるファンの興奮も高まる。

一報、オーランドで決着してファイナル進出を図ろうとしたセルティックスだったが、再びホームでの戦いを余儀なくされた。

セルティックスにとっては、ただの1敗以上の不安がつのる結果に。先発のセンター、ケンドリック・パーキンスが前半に退場、さらにフォワードのグレン・デイビスが後半脳震盪をでロッカーへ下がると、ラシード・ウォーレスも第4Q 残り4分49秒にはファウルアウトでベンチに下がった。ドック・リバースHCは、「ウォーレスは背中もひねった」と明かしており、セルティックスは突如としてフロントコートが手薄となる事態に見舞われた。

パーキンスは前半残り36.1秒に2つ目のテクニカル・ファウルを取られて即刻退場となり、プレイオフ7つ目のテクニカル・ファウルを喫したことで、テクニカルファウルがリーグより撤回されない限り、次戦は出場停止となる。

デイビスは第3Q終わりにハワードのエルボーを顔面に喰らい、コートにしばらく倒れた後、立ち上がって歩こうとしたがよろめき、レフェリーに抱えられた。ロッカールームで脳震盪と診断され、戻らなかったデイビスに対しハワードは、「我々は勝とうと必死だっただけで、誰も故意に傷つけようとはしていない。だがバスケットボールは非常にフィジカルなスポーツだ」と、親友のデイビスを気遣った。

王手をかけられたマジックは、試合開始早々3ターンオーバーをして5-0とリードされたが、6人でチーム最初の12本中8本の3ポイントを成功させる、このシリーズ最高のオフェンスで一気に流れを奪う。

前半を57-49とリードして折り返したマジックに対して、セルティックスもレイジョン・ロンドの後半最初のショットで57-51と追い上げたが、ルイスが第4Q最初の7得点を挙げて引き離した。

マジックではジャミーア・ネルソンがゲームハイの24得点、ドワイト・ハワードが21得点、10リバウンド、5ブロック、ルイスとレディックがそれぞれ 14得点と奮闘した。

「我々はアタックを繰り返して、外のシューターに回した。マジックのプレイができるようになった今、シリーズを制することができると信じている。今度は向こうにプレッシャーがかかっていると思うが、セルティックスには将来殿堂入りする選手や素晴らしいHCがいる」と、5本中4本の3ポイントを成功させたネルソンはあくまで冷静に分析した。

敗れたセルティックスでは、ウォーレスがチーム最多の21得点、ロンドが19得点、ポール・ピアースが18得点を記録した。まだ3勝2敗とリードして優位に立っているが、もし次の2ゲームを落とせば、リーグ史上初めて3連勝した後にシリーズを落とす不名誉な記録を作ることになる。

「あと1勝が必要だ。もし再びここに戻ってくることになっても対処できると思うが、できれば次の試合で決着したい」と、ホームでマジックにここ5戦中4敗を喫しているリバースHCは、決意を新たにした。
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<ゲーム6>2010/05/29
イースタン・カンファレンス・ファイナル第6戦、オーランド・マジック対ボストン・セルティックスは、プレイオフ期間中、常にチーム一丸となったプレイで相手を倒してきたセルティックスが、96-84でマジックを下し、2年振りにイースタン・カンファレンス優勝を決めた。

つい6週間前まではチームの結束に不安を残していたセルティックスだったが、プレイオフが始まってみれば、ドウェイン・ウェイドが牽引するマイアミ・ヒート、若きレブロン・ジェイムスがリーダーのクリーブランド・キャバリアーズ、そしてイーストで最も総合力が高いマジックに勝利し、ファイナル進出を決めた。

セルティックスのドック・リバースHCは、周囲の低い評価に惑わされることなく、選手達の力、そしてそれらが結集した時のチーム力を信じていた。
リバースHCは、「私は選手達の能力、そしてプレイを見て、我々の実力を信じて止まなかった。何も驚くような結果ではない。これが、シーズン開幕前から言い続けてきたことだ」と、ファイナル進出を喜んだ。

今回のシリーズを通して共通したことは、第1Qを制した方が勝利するということだった。
第1Q終了までに30-19とアドバンテージを奪ったセルティックスは、第2Qにレイジョン・ロンドがハードファウルを受けて一時プレイ出来ない状態に陥ったが、プレイオフを通して44分しか出場していなかったネイト・ロビンソンがコールアップされ、見事なプレイでチームを牽引。ロビンソンは、第2Qだけで13得点を挙げるプレイをみせてチームに貢献した。

トニー・アレンは、「シリーズを通してそんなにプレイしていなかったけれど、一気にチームに勢いを与えてくれた。ネイトは、いつチャンスがきても大丈夫なように準備をしていたんだろう。見事だったよ」とロビンソンを絶賛した。

ハーフタイムまでに55-42と13点差をつけたセルティックスは、第3Qに入ると、よりチームとしてのプレイが機能し始める。第3Q序盤には、レイ・アレンが2本続けて3Pを決めてリードを広げ、そのままセルティックスが終始リードを保った。

誰か1人に頼るのではなく、全員が一丸となってファイナル進出を決めたセルティックスは、ピアース(31得点、13リバウンド)ら以外にも、要所で得点を記録するトニー・アレンとラシード・ウォーレス、そして鉄壁の守りをみせたケンドリック・パーキンスの活躍が大きかった。

ピアースは、「普段はロールプレイヤーに徹している仲間が勝利の立役者だよ。本当にノーマークだったからね」と、チームを支えたベンチ陣に感謝の意を示した。

ファイナル進出を決めたセルティックスだが、ファイナルでの相手候補2チーム(ロサンゼルス・レイカーズ、フェニックス・サンズ)は、どちらもスピードと勢いでセルティックスを上回るとみられている。しかし、ここまで勝ち上がってきた時と同様に、選手達は一向に周囲の評価を気にしていないようだ。

ピアースは、「チームは絶対に今の瞬間に満足していない。俺にとっては、選手として残された時間はあまり多くはないと思う。でも、そういう時期にファイナルに戻ってこれたことは最高。願わくば、もう1度優勝出来れば良いね」と笑顔をみせた。

一方、2シーズン連続のファイナル進出という目標は叶わなかったマジック。セルティックスとのシリーズを通して、ドワイト・ハワードはチーム一丸となってプレイすることの重要性について気付かされたことだろう。まだハワードはFA資格を持っていないため、今後マジックが目指すべき方向性は、ハワードを中心としたチームプレイに徹することが出来る選手、勝利のために貢献出来る選手でチームを構成することだろう。

28得点、12リバウンドを挙げたハワードは、「来シーズンは、何が何でも勝利だけに徹することが出来る選手が必要だ。このレベルになってくると、技術とか才能云々の差だけではなくなってくる。どちらのチームが、よりイースタン・カンファレンスの王者になりたいと願うかだ。チームも相手もタレントが揃っているし、素晴らしいテクニックを持ったチーム。ただ、相手の方が勝ちたいと思う気持ちが強かったんだろう」と敗因を分析。また、「セルティックスはプレイオフを通じて、『優勝したい!!』と強く思っていたんだと思う」と、勝者を称えた。
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